なぜＡ子は「ウリ」に走ったのか！？

　Ａ子、高校３年生（普通高校）。ごく普通の生徒である。いうまでもなく、「ウリ」とは援助交際によって直接性交渉を行い、金を受け取る行為（つまり売春）である。なぜＡ子は「ウリ」に走ったのか、語ってもらった。

「私に両親はちゃんといます。初めてのセックスは中学２年のとき、イッコ上の先輩だった。特別好きでもなかったが、彼の家に遊びに行って、なんとなくそんな雰囲気になって、まあーいいやという気になって……。

　中学３年になったとき、どこの高校に行くか迷ったけど、先生が行けという高校を受験したら受かっちゃった。でも、勉強もおもしろくないし、なんで自分が高校生になったのかいまでもよくわからない。結局親の言うとおりにしたっていうところかな。そのうち少し友達もできたけど、なんとなく毎日がつまらない。もっと自分を認めてくれたり、自分の存在感というか、なにか目立つことがないかなーと思っていた。そしたらさー、クラスのなかで目立つ子って結構いい物身につけてんじゃん。そーだ、ブランド品を身につければ目立つと思ってさー。でも家での小遣いは５０００円しかもらえないし、そんなとき思いついてのが「ウリ」だったんだ。

　それでさー、おもしろかったのは、私服で歩いていると声をかけられないのに、制服で歩いていると１人か２人必ず声をかけてくるんだよ。でもさー、声かけてナンパしてくるやつはたいてい金持ってないんだよ。だからどうせなら、金を持っていそうなオジサンをカモにするのさ。だってさー、ナンパしてくるやつは下手するとやり逃げもあるし、オジサンはそれなりに金を持っているからね。

　もらった金はなんとなくなくなっちゃうんだよね。友達と食べたり、ちょっとした小物を買ったり、もち、服も買うよ。初め、買って身につけていたころは友達も目ざとく見つけて、結構いいもん持ってるじゃんと注目してくれたけど、最近は慣れちゃって、逆キザなやつと見ているようだけど、あんまり気にしないようにしている。「ウリ」は高校を卒業したらやめるつもりでいるんだ。親もうすうす気づいているみたいだし、あんまり長く続けると働くのがやんなっちゅうだろうからね。