授 業 案
T.テーマ設定の理由
前授業のアンケートより、生徒が意識している「性」に関するイメージのほとんどが、雑誌・マンガ・テレビによる情報によってつくられていることがわかった。また、マスコミによってつくられる情報を自分の都合の良いように受け止めたり、快楽的に描かれた性の情報をそのまま信じている生徒が多いということがわかった。援助交際について意見を出し合うことにより、氾濫する情報に流されずに物事の本質を見極め、さらに自分たちの意識や行動を考えながら、性行動の適切な選択ができる力を身につけさせたいという目標を目指した授業にしたいと思い、このテーマを設定した。U.本時の目標
・援助交際について、いろいろな角度から考察することで、自分の持っているイメージと現実との違いがあることに気づく。
・性情報の選択の仕方や捉え方について認識を深めるとともに、自分の意識や行動を考えさせる。
V.学習展開
学習活動 生徒の(予想される)反応 留意点・教材 導
入
1.前授業の
「アンケート」の
集約結果を知る。
1位 性別 男・女
2位 アダルトビデオ
3位 いやらしい
4位 援助交際
5位 H
6位 SEX
7位 テレクラ
8位 キス
9位 愛
10位 オナニー・レイプ
・SM・ラブホテル
その他 エロ本・ソープランド
・アナル・オ○コ
・ストーカー
・マ○コなめたい
・Hしたい・バイブ性教育アンケート
NO.1集約結果ラン
キングカードを提示
する。展 開
2.前授業のアン
ケートの意見を発
表する。
・良いイメージ
お金がもらえる
両方満足できる
欲しいものが買える・良くないイメージ
好きでもない人とHする
なんて
性病がうつる
オヤジとするなんて性教育アンケート
NO.2を配布する。
展 開
3.援助交際に
ついて
・肯定的にとらえた
意見A
・否定的にとらえた
意見B
・AでもB出もない
意見C
について意見を出し
合う。
A:お金・若い女とHできる
・やらずに逃げる。
B:病気がうつる・自分を
傷つける・後悔する
C:どうでもよい・人の勝手
・本人の考えること
・保健プリントを配
布、アンケートを見
ながらABCに分類
し、上段に記入する。
自分の意見を下段
に記入する。
・事前にまとめたア
ンケート集約結果表
を提示し、補足意見
があれば書き加える。
・人それぞれのイメ
ージや考えを持って
いることを知らせ、ど
の意見も肯定的に受
け止める。
展 開
4.援助交際を実際
に体験した少女の
体験談を読み、きっ
かけとなった理由、
行動について考える。質問:A子さんは高
校を卒業したら「売り」
をやめられるか?
自分を認めてほしい
自分の存在感がない
目立ちたい
ブランド品を買いたい
勉強がおもしろくない↑
カード@
・楽してお金が入る生
活をしているから、な
かなかやめられない。
・意志を強く持てばやめ
られる。・読み物のプリント
「なぜA子は『ウリ』に走
ったのか!?」を
配布し、理由と考える
ところに線を引く。
(読み物・広告)
・理由、意見を書いた
カードを提示する。
(カード)…@お金、
人間の値打ち、生活、
行動
ま
と
め5.これからの自分の
生き方について自分
の考えをまとめる。
感想用紙
W.配慮事項
このテーマはともすれば、教師の一方的意見の説教になりがちとなる内容ですが、生徒たちと一緒に考え、常に現実にフィードバックしながら、生徒たちに寄り添うような授業にしたい。
参考文献
・「援助交際」というなの売春経験
〜中学・高校生のための授業展開例〜 末益恵子(東山書房)・中学校性教育の全貌
p.88 手軽な出会い 〜テレクラの背後にひそむもの〜
岡田教一郎(東山書房)・性と性の教育 No.11 特集「援助交際」と性教育
p.65 なぜA子は「ウリ」に走ったのか!?
湯沢満男(あゆみ出版)・少女のゆくえ インタビューの向こうに見えるもの
村岡清子(青樹社)・パステルティーン記事抜粋 笠倉出版社