外からは見えないからだの内部の器官のはたらきについて（内性器）
「四年生では、外からは見えないけども、なかを勉強しようと思うんよ」
「これは同じように見えるけれども、どちらかが男の子、どちらかが女の子です」
＜黒板に人のかたどったものを二つはる＞
「頭の中は何があるかな」
「脳はどんなはたらきをするのかな」
「脳はおとうふよりもやわらかいんやで。しわもあるんやで」
「次は、胸にあるのは何かな」
「心臓ってどこかな」
「心臓のはたらきは」
「心臓の大きさって知ってる」
（にぎりこぶしの大きさ）
「よく知ってるな」
「これは何か知ってる」
（肺や）
「肺のはたらきは」
「息をすると肺に空気が入る。全身からもどってきたよごれた血液を酸素できれいにして、そうしてまた心臓から送り出す」
「この下は」
（胃）
「胃のはたらきは」
「その下は」
「大腸と小腸です」
「胃でとかした栄養をからだの中に取り入れるところやな」
「のこったかすがうんちになるんやな」
「さて、ここまでは男の子も女の子もいっしょ」
「ここから下がちがうんよな」
＜男子の内性器と女子の内性器をはる＞
「さてどちらが男の子でしょう」
「なんで」
（下にとび出してるから）
「なにとび出してるんよ」
「これで男の子と女の子がわかったけど、男の子は 外から見えるんやね。女の子は外から見えにくいんやね」
「ここなんていったかな？」
（チンチン）
「ふつうみんななんて言うんよ」
（ちんこ）
「そうやな、ちんこって言うんやろ」
「ここのたまは」
（きんたま）
「そうしたら、みんなは小さいときに犬のことなんて言った」
（わんわん）
「大きくなったらなんて言ってる」
（犬）
「そうやね。小さいときはちんちんとかちんことか言ってたけど、ここ、たまとちがうところはペニス」
（ペニス）
「一回言って」
（ペニス）
「このたまは、きんたまって言うけれども、精巣（せいそう）」
「一回言ってみよう」
「女の子のここは」
（……）
「ワギナって言う」
＜男女の内性器の大きな絵を黒板にはる＞
「ワギナって三年生のときに勉強したときに、赤ちゃんの出てくるところって勉強せんかった」
「それからここは子宮。子宮って何するところか知ってる」
「ここは赤ちゃんが育つところやな」
「この子宮は筋肉のでできていて、男の人のうでの力こぶよりもじょうぶな筋肉だよ」
「だから赤ちゃんが子宮のなかで大きくなれるんやな」
「ここは」
（卵巣。らんそう）
（卵子をつくるところ）
「すごいね、よく知ってたね」
「卵子て知ってる。人間ってはじめは卵やったんやで」
「人間はホ乳類やけどもはじめは卵やった」
「さて、どのくらいの大きさやと思う？」
「卵子と言うんよ」
＜卵子の拡大図を黒板にはる＞
「これはものすごく大きくしています」
「大きさは、大体０．２から０．２５㎜」
「一㍉を十個にわった二つ分。こんなに言ってもわかりにくいから、わかりやすく言うと。黒い紙の上に砂場の砂をパラパラとまいて、その中で一番小さい砂のつぶ。または髪の毛を１本ぬいてわぎりにするとその大きさ」
（そしたら卵巣って二つあんの）
「そうやね二つあるね」
「この卵子をつくる卵巣。これは生まれたばかりの女の赤ちゃんのなかにもあります。生まれたばかりの女の赤ちゃんのからだの中にも卵巣があってその中に卵子のもとになるさいぼうがなんと数十万個あります。みんなも持ってるんよ、女の子。それでだいたい思春期と言って、五年生か六年生になったら、その中のいいのをよっていくんよ。だいたいそれが数千個」
「ここにね、だいたいこの大きさ」
＜女性の内性器の実物大の大きさ（大人のものと子どものもの二つ）を印刷した紙を見せる＞
「大人がだいたいこの大きさ。これらみんなに配るから切ってください」
＜みんなに配って切ってもらう＞
「切れたかな。今日はみんなにこれあげるから、お家の人に見せてお話してあげてください」
「これは女の子みんなあるんやで。だから気持ち悪いとか言ってたら、肺とか胃とか心臓とかいっしょに勉強していますからそれがみんな気持ち悪いとかいやらしいとかになるんやで」
「こんどは男の子」
「人間のはじまりは卵、卵子でした。しかしこの卵子だけでは命ははじまらない。なにがいるんかな？」
「ザリガニでもめすだけだったらだめだしね」
「男の子は精巣があって、たまやね。ここがペニス言うんや」
「今言ってくれたように、命がはじまるためには精子がいる。精子はこの精巣の中でつくられる。こんな形をしている」
＜精子の拡大図を黒板にはる＞
「これは大きさは卵子と同じくらいにかいているけれど、卵子より小さいです。０．０５から０．０６㎜。卵子の５分の１ぐらい」
「卵子と精子が一つになると受精卵と言って、命がはじまるわけです」
「男の子は精子をつくる準備ができていますが、まだ、つくりなさいというサインが出ていないんです」
「サインはここのところから出ます」
「こめかみの奥に脳下すいたいと言って、大豆ぐらいの大きさがあって、ここから思春期ぐらいになるとピ・ピ・ピ・ピ・ピ～とサインが送られて精子や卵子がつくられるんだけども、この勉強はまたします」
「じゃあ精子はどのくらいつくられると思う」
（百万個）
「１日にだいたい１億個。１秒間に１０００個。１分間には５万個以上」
「こういうふうにして外からは見えないところも同じように大切にせんとあかんな」
「特に女の子のおなからけったら大変やな」
「もちろん男の子の性巣もけったりしたらあかんわな」
＜ワギナ、子宮、卵巣、ペニス、精巣などについて復習する＞
「このあと、これからもっと知りたいことや、今日の感想などを書いてもらって、今日のからだの勉強は終わりにします」
